2014年07月04日

2章 Part31 ~世界が凍る!?~

ごま三が何か見つける。

ごま三「信じられない・・・。」

緑の縞猫「どうしたの?」

ごま三「ここにあるのが、あなた方の故郷に咲いている環境の草、しんぴ草とでもいうべき、草花2種ですが、成長が止まっています。まるで凍り付いたように。これでは、世界中の環境草花に影響が出ているかもしれない・・・。」

しろねこ「確かに、前に、博士が、色々つながってるって言ってたものね。」

ごま三「それで、緑の大陸があんなふうになってたとしたら…。」

しろねこ「でもここやばいんでしょ? 私たちの故郷の心配をするより まずここを何とかしなきゃ…」

ごま三「そうおっしゃるのはもっともですが、実は、ここの環境草は、枯れることがないんです。今回のように、時間が止まっているかのように、生育が妨げられたりしない限りは。」

しろねこ「それでも、枯れる可能性はあるでしょう?」

ごま三「逆なんです。枯れなかったから、かつて、争いが起こりました。この草花の力を無限に吸い寄せ、極大にまでも膨れ上がらせた魔法を使い、世界を征服せんとする… 野望を持った一団が・・・」

しろねこ「いたんだ。」

ごま三「我々は戦いました。状況は優勢、かと思われました。一時期落ち着いたりしましたが、長きにわたる戦いの中で、我々が目を届かせていないところ… 信じられない兵器が作られていたのです。」

緑の縞猫「世界は広いな・・・」

ごま三「それが、草花から魔力を吸い寄せて、憎しみや恨み、復讐心から、威力を爆増させる類の兵器だった…。」

しろねこ「彼らは、ギャングだったのね。」

ごま三「力に心奪われ、魔力が集まるこの地だからこその 思い上がりと、つつましい暮らしに飽き、外界と交流する以外の方法で、自らの力を誇示しようとした者のなれの果て・・・ この戦いにおいて、魔法とは、憎しみでなく、愛情によって培われなければならないことが、大いにわかりました。魔法には心を増幅する作用があり、この地は特にそれが顕著です。博士が言われたとおり、ある種の共振作用によって、幸せも倍、憎しみも倍になる・・・」

緑の縞猫「でも、幸せは、決して、憎しみの反対物なんかじゃない・・・」

ごま三「でもそれがわからなかった彼らは…。」

しろねこ「それからどうなったの?」
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2014年07月05日

2章 Part32 ~明日に進もう!!~

ごま三「ある日、不吉な雲が上空に現れました。紫がかった、まさに、ありえない雲です。こいつは、赤みがかった雷を帯び、それはまるで、ありうるなら、魔界の雲でした。憎しみの果てに暴走した、魔法の雲だったのです。私たちが駆けつけるころ、彼らは、花になっていました。それはそれはきれいな花だった・・・。何の黒魔術か、それ以降、その雲は消えてゆき、何事もなかった…。そこで、戦いは終わったのです。」

緑の縞猫「なのに、また今、何かが起こっている。」

ごま三「この頃、私は幼かった。実は、雲の話以外は、後で、魔法の水晶から、記憶映像で見たものなのです。でも、前にも言いましたが…」

しろねこ「うん。記憶感は共有されるよね。これほどの恐怖なら。」

ごま三「実際、あれは、幸運にも、何かの儀式に失敗したものだろうと、我々の心に焼き付いています。もしそれが・・・ と思い、あなた方の故郷を見て、これからは、魔法の国にふさわしい すてきな国を持ち続け、世界中に、良い魔法と良い環境を生み出す、手助け、つまり、魔法というきっかけを通じて、愛を育てていきたいのです。」

緑の縞猫「人の心は弱いものだよ。もし、大切な人が亡くなったら、一昔前の僕でも、発狂していたかもしれない。そういう暗いオーラが、もし、集団単位で、都合のいい黒い観念になってるとしたら。」

しろねこ「誰もが、同じ体験で、成長できるとは限らない。」

ごま三「そうです。あくまで、つらい体験は、起こるべくして、個別に起こるのです。結果も、観念も、むやみやたらに他の人に押し付けるべきではない。」

緑の縞猫「だいたいわかったよ。どこの国でもいっしょさ。でももう終わったこと。これ以上何があったかは聞かないよ。」

しろねこ「明日に進もう!!」

割と長いソリの旅。

それでも、最初の海渡りで、キモが座った2人。

夜のうちには、な、なんと、ごま王国の故郷に着いてしまうのだ!
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2014年07月06日

2章 Part33 ~暗闇に染まる王国~

ごま三「みんな!」

信じられない…。

しろねこ「みんな、凍ったように眠っている・・・。」

ごま三「元々、ボクらは、よく眠る種族。だけど、これは、眠りの魔法が掛けられている。しかも、あの記憶と同じ、邪悪な、悪意を感じる。」

緑の縞猫「暴力は、一度連鎖すると、そう簡単には断ち切れない。そう博士が言っていた。もし誰かがこれをしていたなら、彼らは一体どういう目にあってきたというのだろう?」

しろねこ「精力・・・ 自分の中にある、心と体にまつわる力・・・ きっと、自分の夢や望みを抑えて生きてゆくと、ある日そういう習慣が、闇へと変わる… そんな話なのかも。」

緑の縞猫「いろいろ感じるところがあるよね。これもこの地に来たからかな?」

ごま三「邪教・・・。世界に点在する、あまたの国。地獄と化すことを望み、そういう何も考えないことが、その逃避活動が、気持ちの良いものだなんて感じさせる・・・。そういう魔の力が、どこかで刻々と展開している… というような洞察を夢で見たんだ。もしかしたら、あの夢の異世界なのかも・・・。」

しろねこ「いつ?」

ごま三「ごく最近さ。昨日…。そう昨日だ。緑の世界の居心地の良さに、つい、心ゆだねたあの日…。心配事にもかかわらず…。」

緑の縞猫「ここまで来たならもう、元凶に尋ねるしかない。」

しろねこ「心当たりは?」

ごま三「まず、あざらし王国へ行こう! でもその前に、図書館に寄らなくちゃ。」

〝それはできんな!!〟

くっくっく、フワーッハッハッハッハッハ(笑)

しろねこ「出たか…。」

ごま三「なんですとーーーー。」

緑の縞猫「まぁ、元凶が来たみたいだからいいか。よし、倒そう!」

って、なんかこの展開…。空ぶってない?
posted by ファンタジー✡とど at 20:57| 2章 💙「マジカルスノー編」 | 更新情報をチェックする

2014年07月07日

2章 Part34 ~現れた怪物!~

ビュワァァァァーーーーッ

なんと図書館がカチカチに凍り付いた。

ごま三「まさか・・・。この世界で、更なる寒度の魔法が使えるなんて…。」

〝バカめ。我の呪術は、もはや魔法などたる低俗なものなかれ。かつての怨念、今ここに・・・〟

何のことか? だが、意外に今までの話の流れから直観した ハートのねこ♡たち。

〝終わりよ。何の事だか分からぬまま、永遠に朽ち果てるがよい!!〟

その時、地震とともに、彼らは、凍り付いた。

すべての・・・彼らすべての時間が止まってしまった……………。

もう… 彼らが生きることは…

ボォ―――――――――――――――――!!

緑の縞猫「なんだか分からないけど、熱いコトバを交わして、元気が出てきた。勇気が湧いてきた!! それに素直に身をゆだねたら… できた。お前を打ち破る方法。」

彼は、火の魔法を会得した。
posted by ファンタジー✡とど at 21:27| 2章 💙「マジカルスノー編」 | 更新情報をチェックする

2014年07月08日

2章 Part35 ~ヒートアップソウル~

〝身をゆだね…? バカな。それは、我々の専売特許。それに、なぜ? 1万人の魔力を集めても、この氷は解けないはずだ〟

しろねこ「よーく小説を読んでみなよ! ちゃんと順当に読んでいけば、わかるはずだよ!」

ごま三「あんたのは もう魔法じゃないんだろ? イーブル(悪)に反則的な威力を持つのは、熱い気持ちだけさ!!」

緑の縞猫「リバーラインレースをして思った。こんな平和がいつまでも続けばいいって。それがわからないお前を感じて、かわいそうに思った…。」

時間が…、なごんでゆく。

ジュワァーーーーーーーーー・・・

〝ワ・・・ワレノカラダガ・・・〟

そいつは、実体のない、影(シャドー)のようなものだった。

彼は、しかし最後の力を振り絞って、こう叫んだ。

〝ワレ、コノイヤシキマホウノゲンセンダケデモホウムリサル・・・〟

その後、ドーンという薄い音で、彼は彼方へ消えた。
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2014年07月09日

2章 Part36 ~凍った図書館~

村人… というか、王国のみんなは、復活した!! 彼らの熱い心が、悪魔の氷を溶かしたのだ。

みんなは伝えた。そして、喜んだ。しかし・・・。

ごま三「図書館が…、図書館が凍っている。しかも、さっきと違い… まるで呪法にでもかけられたかのように…。」

長老「行きなさい…。あざらし王国へ。ここは解放できん。先祖の魂が宿ると言っても過言ではないが、それよりは、今じゃ。書物などより、あなた方が遠いところからわざわざこの世界を救うために足を運んできてくれた… このやさしさ、友情、奇跡…。これらがきっと、あの実態をも持たぬかもしれぬ、怨念の塊を、葬り去る、あるいは浄化できるかもしれぬ。」

ひとまず、危機は去った。

いきなり凍った住民。氷の悪魔。そして、ジ・エンドにすらなりうる、即座の奇襲…。

ただ、彼らは直観で、大丈夫と分かっていた。

今はこれだけ信じよう。

ただ一つ気がかりなのは、王の姿が見えないことか・・・。
posted by ファンタジー✡とど at 22:08| 2章 💙「マジカルスノー編」 | 更新情報をチェックする

2014年07月10日

2章 Part37 ~いざ あざらし王国へ!~

ごま三「いいの? 正体とか聞かなくて?」

緑の縞猫「わからないさ。」

しろねこ「ダーリンは、みんなのことを心配しているのよ!」

風が吹き付ける。長老の家で、一夜を過ごしたヒーローたち。

一同は、南の国、あざらし王国に向かう。

ちなみに、ごま世界は、地図上では、北の方らしいよ。
posted by ファンタジー✡とど at 21:23| 2章 💙「マジカルスノー編」 | 更新情報をチェックする

2014年07月11日

2章 Part38 ~ざららんの行方~

しろねこ「よかったね! 火の魔法使えて!」

緑の縞猫「空をを跳ぶときと 同じ感じがしたんだ。」

ごま三「勇気が、悪の弱点だってわかったけど、やっぱり、使いこなすことが先決かな…」

しろねこ「図書館の氷…。それだけで、何かがまだ終わっていない証拠にはなるわ。」

緑の縞猫「さすがに、呪法の氷は、火の魔法でもびくともしなかった。」

しろねこ「私の、軽い体当たりでも…。」

ごま三「無茶すべきでないよ。罠の可能性もあったんだ。この手の呪法には、手の込んだトラップがあったりするからね。」

緑の縞猫「ざららんはどうしてるんだろう? きっと戦力になってくれると思うんだけど。」

ごま三「そういえば呪法を溶かす 秘伝魔法があった気がする。でも、それが図書館の中だから…」

しろねこ「誰か覚えている人はいないの?」

ごま三「恥ずかしながら、あの一件以来、外部に情報を漏らさないようにしてきたのですが、我々は、書物を読めるわけじゃない。いや、書物自体が文字だか疑わしい。あそこにいると、あなた方の言う、夢の異世界のような洞察を得るのです。それが、いわゆる、正しい心によってもたらされるのです・・・。」

ごま三はまた深刻になっていった。
posted by ファンタジー✡とど at 21:16| 2章 💙「マジカルスノー編」 | 更新情報をチェックする

2014年07月12日

2章 Part39 ~嬉しい味方~

ヒュォォォォーーーーーーーー!

ごま三「これは・・・。国境付近に、雪の壁…。」

緑の縞猫「誰かが?」

ごま三「分からない…。でも、これも呪法の気配を感じる。」

しろねこ「待って! 微妙に下が明るい。そして、壁が、少しずつ、動いている。」

緑の縞猫「ただ動いてるわけじゃないよ。これは…。」

ごま三「伸びている…。高くなっていっている…。」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・

緑の縞猫「危ない…! トラップだ!」

彼がそう直感したのと同時に、どこからか、大量の雪崩が…。

✡「超火炎!!」

ボーーーーーーーーーーーーーッ

雪崩が解けた!!

✡「さあ!早く!」

緑の縞猫「おっしゃーーーー! って、また雪崩が…。」

✡「上空を見た? 黒い異次元が見えたでしょ? あそこから、呪法と共鳴させて、近づく者の魂の時間を止めてしまう〝呪い〟が降りかかるようになってるの!!」

しろねこ「ほんっと文字通り、降りかかってくるわね…って」

一同「さららん!!!!」
posted by ファンタジー✡とど at 20:30| 2章 💙「マジカルスノー編」 | 更新情報をチェックする

2014年07月13日

2章 Part40 ~改めまして 私ざららん!~

ざららん「久しぶり! 迎えに来たよ♪ ああ、あと、わたし、レースでは男らしくしてたけど、実は女の子だから。ヨロシクウ~♪」

ごま三「そうだったよね。」

ざららん「まぁ、私たちは、幼馴染ーとかじゃないけどね。」

ごま三「当時小さかったけど、彼女もまた、あの雲の恐怖を感じた一人なんだよ。」

ざららん「まもなく海よ。この辺は、環境草花の自然魔力で、海の氷も解けてるの。」

ごま三「と言っても、草花は凍らされて、弱ってて…」

ざららん「分かってる。この辺一帯は、命の火山のようなものが海底にあると考えられているわ。だから、草花は、自然界の魔力を取り込みながら呼吸循環、いわゆる魔法の光合成のような環境循環システムを体現しているのよ。」

緑の縞猫「なる程… だから、ちょっとやそっとでは、凍らないのか…。」

ざららん「ですから、彼らは、とんでもない 新たな強力な呪法をかけてきたわ。」

しろねこ「かれ…ら??」
posted by ファンタジー✡とど at 21:38| 2章 💙「マジカルスノー編」 | 更新情報をチェックする